「犬にとって必要な栄養素って何?」
「健康のために、愛犬にはどんな原料が入ったドッグフードを食べさせればいいの?」
この記事は、そんな方へ向けて書いています。
ドッグフードによって原材料や成分、カロリーは異なるので「どんなドッグフードが健康に良いのか?」分からないですよね。
犬にとって必要な栄養素とは何なのか?疑問に思われるかと思います。
そこで本記事では、「犬に必要な栄養素」について徹底的に勉強したので分かりやすくご紹介していきますね。
【この記事を読むと以下のことが分かります】
- 犬にとって必要な6つの栄養素
- 犬の栄養の最低摂取量について
- 犬の摂取カロリーについて
- ドッグフードに含まれる塩分の安全性・危険性
僕も最初は分からないことばかりでしたが、愛犬の健康のためにしっかりと情報収集し、今では愛犬にとって本当に必要な栄養素を適切に与えているので、毎日元気でいてくれています。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
ドッグフードに欠かせない!犬にとって必要な栄養素は6つ
必要な6つの栄養素
- タンパク質
- 脂質
- 炭水化物
- ビタミン
- ミネラル
- 水
犬に必要な栄養素は上記の6つがあります。
「6大栄養素」と呼ばれており、愛犬にはこれらの栄養素をバランスよく摂取させてあげることが大切です。
基本的には「総合栄養食」のドッグフードを選んでおくことで、上記の6つの栄養素を摂取させてあげることができますよ。
ここでは、それぞれの栄養成分の特徴を分かりやすく解説していきますね。
①ドッグフードの成分の中でも特に大切!成長・被毛の健康に役立つ「タンパク質」
ドッグフードに含まれるタンパク質の2つの役割
タンパク質の役割
- 筋肉や骨、皮膚、被毛を作る。
- エネルギー源
タンパク質は筋肉や骨、皮膚、被毛を作る原料であり、体内でアミノ酸に代謝されてエネルギー源になる働きがあります。
良質なタンパク質を摂取すれば、毛艶の改善などの効果も期待できる犬にとって重要な栄養素です。
反対にタンパク質が不足すれば、成長不良、被毛の乱れなどの症状が現れます。
タンパク質量が幼犬22.5%、成犬18%以上のドッグフードを選ぼう
AAFCOの栄養基準 | 必要なタンパク質量 |
幼犬用基準 | 22.5%以上 |
成犬用基準 | 18%以上 |
(参考元:AAFCO 栄養基準に基づく成分分析一覧表)
現在のドッグフードの品質基準はアメリカのAAFCO(アフコ)が定める栄養基準を採用していることが多いです。
この基準をみると、犬に必要なタンパク質量を摂取するには、ドッグフードの含有タンパク質量が幼犬には22.5%以上、成犬には18%以上と定められています。
ドッグフードを選ぶ際は成分表が記載されているので、しっかりと確認し、基準に満たすものを選ぶようにしましょうね。
動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂取しよう
タンパク質の種類 | 含まれる食材 |
動物性タンパク質 | 肉や魚 |
植物性タンパク質 | 小麦・大豆などの穀物 |
タンパク質には肉や魚に含まれる「動物性タンパク質」、小麦や大豆などに含まれる「植物性タンパク質」の2種類があります。
タンパク質は20種類のアミノ酸が結合してできているのですが、その中の11種類が犬にとって欠かせない必須アミノ酸です。
そして、必須アミノ酸を効率よく摂取するには動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランス良く摂取することが大切と言われています。
よく「犬は植物性タンパク質(穀物)を消化できない」と言われているのですが、犬は進化の過程で穀物を消化できるよう進化しています。
また、穀物は食物アレルギーの原因になるとも言われていますが、穀物は肉類に比べるとアレルギーが起こりにくいとのことです。
(画像引用元:犬と猫の栄養成分辞典)
上記のように、「犬は牛肉や鶏肉アレルギーと比較して穀物によるアレルギーは少ない」と報告されています。
これらの点から、犬にとって高品質なタンパク質とは、沢山の種類のアミノ酸を摂取できるよう、魚や魚粉、卵などの動物性タンパク質や、小麦やコールグルテンのような植物性タンパク質が添加されているドッグフードです。
②タンパク質同様に大切!生命維持に不可欠な「脂質」
ドッグフードに含まれる脂質の4つの役割
脂質の役割
- 生命維持に必要なエネルギー源。
- 脂溶性ビタミンの吸収をサポート。
- 食物の嗜好性がアップ。
- 必須脂肪酸の供給源。
①生命維持に必要なエネルギー源
脂質はタンパク質や糖質とともに3大栄養素と呼ばれており、生命維持や身体活動に必要なエネルギー源です。
糖質やタンパク質の2倍以上のエネルギーを供給でき、消化もしやすいため、タンパク質や糖質よりも先に身体がエネルギーとして脂質を使います。
②脂溶性ビタミンの吸収をサポート
脂質は生命維持や身体活動に必要なエネルギー源です。
脂質の一つの役割として、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
脂溶性ビタミンとは、水に溶けにくく油に溶けやすいビタミンの総称で、ビタミンA、D、E、Kがあります。
これらは油と一緒に調理して摂取することが吸収率が高まります。
なので、脂肪を摂取することで、脂溶性ビタミンの吸収を促進することができるんです。
③食物の嗜好性を高める
脂質は食物の嗜好性を高める働きもあります。
味や匂いが良くなったり、フードが滑らかになって舌触りが良くなります。
犬の食いつきが上がるのは、飼い主さんにとっても助かりますよね。
④必須脂肪酸の供給源
脂質は必須脂肪酸の供給源という大事な役割もあります。
必須脂肪酸とは、犬の身体では合成することができず、食事から摂取しなければいけない脂肪酸のことです。
毎日の食事でバランスよく取り入れることで、ワンちゃんの健康維持に役立ちます。
脂質量が幼犬8.5%以上、成犬5.5%以上のドッグフードを選ぼう
AAFCOの栄養基準 | 必要なタンパク質量 |
幼犬用基準 | 8.5%以上 |
成犬用基準 | 5.5%以上 |
(参考元:AAFCO 栄養基準に基づく成分分析一覧表)
AAFCOの栄養基準によると、脂質の含有量が幼犬で8.5%以上、成犬で5.5%以上満たしているフードが理想のようです。
脂質はエネルギー供給に欠かせないため、不足すると身体が正常に機能しなくなり、被毛の光沢の喪失、フケ症、皮膚炎の原因になるので注意しましょう。
また、反対に過剰摂取をすると肥満や下痢、高脂血症などの原因になるので、適度な量の摂取が大切と言えますよ。
脂質の中でも「オメガ3・オメガ6脂肪酸」が含まれるドッグフードがオススメ
犬に積極的に摂らせたい脂質は「不飽和脂肪酸」であり、その中でも大切なのがオメガ3・オメガ6脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸はアレルギーや炎症の抑制効果があり、血栓予防や血管の拡張効果が期待できる油です。
オメガ6脂肪酸はコレステロールを低下させる作用があり、犬はオメガ3・オメガ6脂肪酸を体内で合成できないので、必ず食事から摂取してあげる必要があります。
不飽和脂肪酸にはオメガ9脂肪酸(オリーブ油、キャノーラ油)もあるのですが、今のところ犬の体内に有効性は期待されていないようです。
オメガ系脂肪酸が含まれるドッグフード
- モグワン
- カナガン
③ドッグフードの成分表に記載はないが必須な成分!エネルギー源となる「炭水化物」
ドッグフードに含まれる炭水化物の役割
炭水化物の役割
- 糖質が生命活動に必要なエネルギー源となる。
- 食物繊維が腸内環境を整える。
炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を合わせた総称のことを言います。
糖質は犬にとって生命活動に必要なエネルギー源となり、食物繊維は腸内環境を整えてくれる働きがあるので、便秘や下痢の予防に役立ちます。
主な炭水化物の供給源は穀類(米、小麦、とうもろこし)や野菜、イモ類、豆類であり、ドッグフードには必ず炭水化物が30〜60%含まれています。
ただ、炭水化物である糖質はエネルギー源として使用されなかった分は脂肪として蓄積されます。
そのため、過剰に与えると肥満の原因になるので与えすぎに注意しましょう。
炭水化物は犬にも消化ができる
炭水化物は穀物に多く含まれていますが、タンパク質の項目でもお伝えしたように、犬は穀物を消化することができます。
「穀物は消化できない」と言われることがありますが事実ではありません。
犬の祖先はオオカミであり、遺伝子レベルはほとんど同じと言われていますが、消化吸収能力に大きな違いがあるからです。
2013年に英科学誌ネイチャーは発表した論文(犬の飼いならしのゲノム的特徴はでんぷんが豊富な食事への適応を明らかにする)でも犬は狼より効率的にデンプン(穀物)を消化できる能力を持っていると発表しています。
1999年に発表された論文(犬の食事の成分として選ばれた高澱粉粉の評価)においても、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、米、ソルガムを含むフードのでん粉成分はほぼ(99%以上)消化されていたことが報告されています。
これらの点から、犬にとって炭水化物は与えてはいけないものではありません。
ドッグフードに炭水化物含有量の表記はないが、健康維持に大切な成分
今のところAAFCOでは炭水化物の必要要求量は定められおらず、ドッグフードにも炭水化物含有量の表記はされていません。
ただ、エネルギー消費量が高い成長期では、エネルギー源となる炭水化物は大切な成分です。
成長期(子犬)には20%以上の炭水化物が含まれるべきと考えられており、妊娠期や泌乳期の雌犬には最低で23%の炭水化物が推奨されています。
参考として、ドッグフードに含まれる炭水化物含有量の計算方法をご紹介しておきますね🔽
炭水化物含有量の計算方法
100-(タンパク質+脂肪+繊維+灰分+水分)=炭水化物(%)
④体調を整えるために不可欠な「ビタミン」
ドッグフードに含まれるビタミンの役割
ビタミンの役割
- ビタミンA:視覚維持
- ビタミンB群:代謝の調整・正常な生育
- ビタミンD:カルシウムとリンの吸収
ビタミンはエネルギー源としては利用されませんが、上記のように視覚維持や代謝の調整、カルシウムやリンの吸収など、体調を整えるために必要な栄養素です。
ビタミンは体内で合成することができない種類が多くあるため、食べ物から摂取しなければいけません。
犬に必要なビタミンが12種類
犬に必要なビタミンは、以下の12種類が挙げられます。
ビタミンの種類 | 具体的な種類 |
水溶性ビタミン | ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、コリン。 |
脂溶性ビタミン | ビタミンA、D、E。 |
(参考元:NRCによる最小容量とAAFCOによるフード中の推奨値)
上記の12種類が必要と考えられており、水溶性ビタミンは水に溶けやすい特徴があり、体内に吸収後、過剰に摂取した分は尿から排泄されます。
過剰摂取分は尿で排出されることから、水溶性ビタミンを含む食材は一度に大量に与える必要はありません。
何度かの食事に分けて定期的に摂取させてあげることで、効率よく摂取することができます。
脂溶性ビタミンは体の外に排泄されにくく、体内に蓄積されやすいので、過剰摂取しないよう与えすぎに注意しましょう。
ちなみに、通常のドッグフードにはビタミンが最小要求量を超える水準まで含まれているため、欠乏することはほとんどありません。
ただ、過剰摂取は食欲不振や体重減少などを引き起こすため、ドッグフード以外にビタミンが含まれるものを過剰に与えないようにしましょうね。
AFFCOが定めるビタミンの必要量
(引用元:ビタミンの役割と要求量)
上記の表はAFFCOが定めるビタミン必要量になりますが、ビタミンCとビタミンKの必要量は記載されていません。
記載されていない理由は、犬はビタミンCを体内のブドウ糖から合成ができ、ビタミンKは腸内細菌がほぼ十分量を合成していると考えられているからです。
そのため、ビタミンCとKはあえて食べ物から与える必要ないと言えますが、病気などで必要量が増えることがあるので、病気のときは獣医師さんに相談をしましょうね。
⑤ビタミン同様、体調維持に欠かせない「ミネラル」
ドッグフードに含まれるミネラルの役割
ミネラルの種類 | ミネラルの役割 |
主要ミネラル | ①体液バランスの調整 ②細胞の一般機能 ③神経伝達 ④筋収縮 ⑤体の構成(骨) |
微量ミネラル | ①ヘモブロビン(赤血球)の必須成分 ②ミオグロビン(筋肉)の必須成分 |
ミネラルもビタミンと同様で犬の体調を整える役割があります。
主要ミネラルとは体内に比較的多く存在するミネラルのことであり、微量ミネラルは体内に存在する量が少ないです。
主要ミネラルも微量ミネラルも必要量は微量ですが、なくてはならない栄養素であり、犬に必要なミネラルは全部で11〜12種類と言われています。
犬にとって必要な11種類のミネラル
必要なミネラル量 | ミネラルの役割 |
g単位の量が必要な主要ミネラル | ナトリウム/カリウム/カルシウム/リン/マグネシウム |
mg単位で必要な微量ミネラル | 鉄/亜鉛/銅/ヨウ素/セレン |
上記以外にも、コバルト、モリブデンなど、十分に必要性が理解できていない微量ミネラルもあります。
AFFCOが定めるミネラルの必要量
(引用元:AAFCO栄養基準に基づく成分分析一覧表)
上記の左が「幼犬用基準」であり、右が「成犬用基準」になります。
表のように、ミネラルとリンは摂取バランスが大切であり、リンを過剰摂取するとカルシウムの吸収を阻害してしまいます。
そのため、AAFCOによると摂取比率の理想はリンが1に対してカルシウムが1〜2と考えられているようですね。
⑥犬の体の70%を構成している「水分」
水分の3つの役割
水分の役割
- 栄養素や酸素、必要なものを体の隅々まで運ぶ。
- 脱水症予防。
- 結石症予防。
犬にとって水分は欠かせない成分であり、人間と同様、犬も体の70%が水分で構成されています。
栄養素や酵素などの健康維持に必要なものを体の隅々まで運ぶために大変重要な役割があります。
水分が不足すると内臓や脳の働きが低下したり、骨が弱くなるなどの悪影響を及ぼして脱水症や結石症の原因にもなってしまいます。
犬の水分必要量
現代獣医学上の犬の1日あたりの水分要求量は体重1kgあたり50〜60mlと言われています。
これは犬の1kgあたりに必要なエネルギー量に近いようです。
多飲と判断する目安は体重1kgあたり100m以上と考えられていますが、運動量や気温によっても多少の増減があるので注意しましょう。
ドッグフードに含まれる水分量
水分量
- ドライフード:約5〜10%
- ウェットフード:約70〜80%
上記のようにフードによって水分量が異なり、ドライフードを与えているとウェットフードの時よりも水分を欲しがるようになります。
水分不足にならないために、ドライフードを与える際は日頃からお水も与えてあげるようにしましょうね。
与える水の種類は「軟水」がオススメ
水の種類 | 具体的な説明 |
軟水 | 硬度が低い水。 犬に最もオススメの水。 |
硬水 | 硬度が高い水。 ミネラルが豊富なことが多いので、軟水を与えるほうが賢明。 |
川・池の水 | 細菌・寄生虫がいる可能性があるため、与えない方が賢明。 |
水には「軟水」と「硬水」があり、犬に与える水は「軟水」がオススメです。
軟水は硬度が低いので口当たりが柔らかく飲みやすく、硬水と違ってミネラルの含有量も低いからです。
一方、硬水にはカルシウムとマグネシウムが比較的多く含まれているため、日常的に飲ませ続けるとお腹の調子を下したり、結石の原因となってしまいます。
硬水やミネラルウォーターを与えることで結石を発症するリスクは比較的低いとされていますが、お水を与えるのであれば「軟水」がオススメと言えるでしょう。
日本の水道水のほとんどが軟水であり、高いレベルで衛生管理されているため、基本的に犬に水道水を与えるだけで大丈夫ですよ。
ドッグフード選びに役立つ「犬の1日に必要なカロリー」は自分で計算すると確実
必要なカロリーは個体によって異なる
犬に必要なカロリー量はワンちゃんによって異なります。
たとえ同じ犬種であっても骨格が違ったり、運動量も違うからです。
また、人間でも同じ身長なのに同じ量のご飯を食べても体重が増える人と増えない人がいますよね。
人間と同じで、愛犬も適正体重だけでは適切なご飯の量は測れないんです。
カロリーの目安はドッグフードのパッケージを参考にしよう
カロリーの目安となるものはフードパッケージに記載されている給餌量です。
ほとんどのドッグフードには1日あたりの給餌量が記載されているので、その分量を守って与えると安心です。
ただ、パッケージに記載されている給餌量で適正体重が保たれていれば問題ありませんが、「表の通りにあげているのに体重が増える」といったこともあるかもしれません。
前述したように、犬にも個体差があり、太りやすい子も実際にいますし、1日の活動量によっては適切な量を与えていても太ってしまう可能性があります。
その場合は、愛犬に必要なカロリーをしっかりと計算して、与える量を調節してあげましょう。
ドッグフード選び・手作り食に役立つ「犬の1日に必要なカロリーの計算方法」
カロリー計算手順
- 愛犬の体重を3乗する(体重×体重×体重)
- 平方根を求める(電卓のルート(√)を2回押す)
- 2の答えに70を掛ける。
- 活動係数を掛ける。
活動係数
- 離乳〜4ヶ月齢:3
- 4ヶ月齢〜成犬:2
- 未避妊/未去勢:1.8
- 避妊/去勢済み:1.6
- 肥満傾向:1.4
- 減量が必要:1
- 体重増加:1.2〜1.4
- 妊娠前半42日間:1.8
- 妊娠後半21日間:3
- 老犬:1.4
- 重労働:4〜8
私の愛犬(3.2kg)の場合、少し太り気味なので活動係数は「減量が必要」の1です。
そのため、計算をすると、3.2×3.2×3.2=32.7。√を2回押すと2.39。そこから70を掛けて活動係数の1も掛けると、167.4となりました。
私の愛犬が1日に必要なカロリーは約167kcalということになりますね。
このように、愛犬に適したカロリー量を詳しく知りたい場合は、電卓を使って計算をすることをオススメします。
愛犬に適したカロリーを計算しておくと、手作りでごはんを作るときにも役に立ちます。
ドッグフードに含まれる塩分は悪者ではない!犬には適度な塩分も必要
犬にとって塩分は必要不可欠な成分です。
よく「犬にとって塩分は危険」と言われることがありますが、事実ではありません。
たしかに、人間のように汗によって塩分を排出することはできませんが、犬は「おしっこ」で塩分を体外に排出することができるからです。
犬に必要な塩分量は0.3〜0.08%以上
画像引用元:AAFCO2016年版における犬猫の栄養素プロフィール概要(後編)
AAFCO(米国資料検査官協会)が定める2016年版の塩分(ナトリウム)基準量は、成長期0.3%、成犬期0.08%以上(古いデータでは0.06%以上)とされています。
AAFCOも犬には塩分(ナトリウム)の摂取が必要と考えられているので、与えすぎに注意しながら適度な量を与えてあげましょう。
ちなみに、ナトリウム摂取量には最大値が記載されていませんが、その理由は明らかになっていません。
ただ、最大値が記載されていない一つの推測として「犬にとって塩分は多少多く摂取しても障害として現れるリスクが低く、不足するほうが問題と考えられているから」という意見があるようですね。
ドッグフードの塩分量を計算する方法
塩分の計算式
塩分相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1,000
上記の計算式であればドッグフードの塩分量を調べることができます。
ただ、ドッグフードにはナトリウム含有量が記載されていないことが多いです。
その場合はナトリウム量が分からず、塩分量が計算できないので注意しましょう。
塩分の過剰摂取・不足には注意
塩分過剰摂取で現れる症状
- 腎臓疾患の発症
- 心臓疾患の発症
犬が塩分を過剰摂取すると腎臓疾患や心臓疾患を進行させると言われています。
もし愛犬がこれらの病気を患っている場合は、塩分の量を限りなく少なくするか、獣医師さんに相談をすることをオススメします。
塩分不足で現れる症状
- 嘔吐
- 痙攣
- ふらつく
- 呼吸困難
- 腹部の膨張、多量の排尿
上記のように、塩分は過剰摂取だけでなく、不足することにも注意が必要です。
犬が塩分を不足しだしたときは、自分の足の裏を頻繁に舐めたり、人の手足を舐めたり、コンクリートや土を舐めるなどの症状が現れることが多いです。
そのため、愛犬の様子は日頃からよく観察しておくようにしましょうね。
ドッグフードに含まれる塩分は過剰に気にしなくても良い
よくドッグフードに塩分が含まれているだけで「このドッグフードはオススメできない」と言われることがあります。
特定の商品を勧めるランキングサイトでは、自分がオススメしたいフードに誘導したいがために、塩分を「悪」と決めつけることもあり、これは飼い主さんに誤解を与えてしまいます。
実際にAFFCOも塩分(ナトリウム)の最低摂取量を定めていますし、全く与えないと病気の原因となります。
本来、ドッグフードに含まれる塩分は微量なことが多いため、病気を患っていない限り気にする必要はほとんど無いと言えるでしょう。
ドッグフード会社の中には他の食材では塩分を補えないため、あえて食塩を添加していることもあるんですよ。
ドッグフードでよく使われる肉・魚の特徴
- 鶏肉
- 鹿肉
- マグロ
- サーモン
ここからは、ドッグフードで使用される上記の4つの原料について解説していきますね。
それぞれの原料にはどんな特徴があるのか?を知り、愛犬に合うドッグフードを選びましょう。
ドッグフードの主原料に使用!毛艶の維持に役立つ「鶏肉(ささみ・胸肉)」
特徴
- 高タンパク・低脂肪。
- アミノ酸バランスが優れている。
- コラーゲン、ビタミンが豊富。
鶏肉は多くのドッグフードの主原料として使われている食材です。
鶏肉はタンパク質が豊富であり、低脂肪な食材であり、基本的に脂肪の少ない部位(胸肉、ささみ)が使用されます。
また、コラーゲンも豊富であり、コラーゲンはアミノ酸と一緒に摂取することで初めて効果が発揮します。
鶏肉にはコラーゲンだけでなくアミノ酸も含まれているので、摂取することで毛艶、肌を健康な状態に保つことが期待できます。
ただ、鶏肉を主原料としていても低品質なドッグフードは沢山あります。
良質なチキンドッグフードを選びたい方は、どの地域で生産され、どんな環境で飼育されたのか?どの部位を使用しているか?などが細かく開示されているドッグフードを選びましょう。
明確に情報がないと安全とは言い難い鶏肉を使用している可能性があるからです。
高級ドッグフードの主原料に使用!アレルギーを起こしにくい「鹿肉」
特徴
- アレルギー反応を起こしにくい食材
- 高タンパク・低カロリー
- 鉄分が豊富
- ビタミンB郡が豊富
- DHAが豊富
鶏肉ほどではありませんが鹿肉を主原料としたドッグフードもあり、主に品質の良い高級ドッグフードに使用されることが多いです。
鶏肉などに比べてアレルギー反応を起こしにくい食材であり、鹿肉は非常に良好な高タンパクなので、犬の有効なタンパク源になります。
低カロリーなのでダイエットにも適しているため、鶏肉やその他の肉類でアレルギーがあれば、鹿肉がオススメです。
鉄分、ビタミンB郡、DHAが豊富な特徴もあり、貧血予防や疲労回復、ボケ防止などの効果が期待できますよ。
鹿肉を使用したオススメのフード
不飽和脂肪酸が豊富な「マグロ(赤身)」
特徴
- 動物性タンパク質の含有量が魚の中でナンバーワン。
- 高タンパク・低カロリー。
- DHA、EPAが豊富。
マグロ(赤身)は、魚の中ではナンバーワンのタンパク量であり、脂肪が少ないので、まさに高タンパク・低カロリーの食材です。
タンパク質や脂質、炭水化物の他にDHAやEPAが含まれています。
DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も豊富であり、これらは血液の流れを良くし、皮膚や被毛を健康に保つ効果が期待できます。
また、血液がサラサラになると体内に老廃物が溜まりにくくなるので、涙やけの改善にも繋がります。
ドッグフードにもマグロは使用されることがあり、マグロが含まれるドッグフードは涙やけ、毛並みで悩むワンちゃんにオススメですよ。
マグロを使用したオススメのフード
高い抗酸化力のある「サーモン」
特徴
- アレルギーになりにくい動物性タンパク質。
- 強い抗酸化作用のあるアスタキサンチンが含まれる。
- DHA、EPAが豊富。
サーモンには動物性タンパク質が豊富に含まれており、牛肉や豚肉、鶏肉などに比べると、アレルギーが出にくいと言われています。
また、サーモンには「アスタキサンチン」と呼ばれる強い抗酸化作用のある成分が含まれています。
抗酸化力ははビタミンCの約6000倍と言われているほどで、摂取することでガン予防、動脈硬化予防、疲労回復などの効果が期待できるでしょう。
サーモンはマグロと同様、DHAやEPAも豊富なので、皮膚トラブルの改善効果も期待できますよ。
サーモンを使用したオススメのフード
まとめ
まとめ
- 犬には6大栄養素の摂取が不可欠。
- 良質なドッグフードであればバランスよく栄養素が配合されている。
- カロリーは目安を参考にするか、自分で計算してフードの量を調節しよう。
- 犬にも塩分は必要なので、適度な量は与えるようにしよう。
- 鹿肉、鶏肉、マグロ、サーモンの特徴を理解し、愛犬に合うフードを選ぼう。
ワンちゃんにとって、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、水の6大栄養素は欠かせないものなので、必ず摂取させてあげましょう。
ドッグフードの中には「総合栄養食」といって、その「ドッグフード」と「水」だけで1日に必要な栄養素を補給することができるフードもあります。
愛犬の健康維持でお悩みであれば、総合栄養食のドッグフードがオススメと言えるでしょう。
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